FUJIKURA ASAKO
THE PROJECTIONS
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FUJIKURA ASAKO
THE PROJECTIONS
本作は、現代都市の形成・維持に欠かすことのできない「別の土地」からの採取・採掘と、それを「この土地」に運搬・配分するグローバル・サプライ・チェーン(ロジスティクス)の問題を扱ったものです。地表や地中、生物圏からの原材料の採取・採掘は、エネルギーや鉱物資源のみならず、それによる小型化された電子機器の開発・運用に欠かせないものであり、私たちの物理的・非物理的生活環境の両方を下支えています。
この作品は3つの壁画によって構成されています。2つの壁画は、ある架空の採掘場があり、そこで採取・採掘された物質が運搬され工業製品化を経て都市空間を形成しつつある様子を、3DCGによるフィクショナルな風景として描いた俯瞰的なイメージです。この風景のなかには、採掘場と同じテクスチャの10個のピラミッドが点在していますが、これらは採取された資源を用いた架空のオブジェクトの「視点=射影」(Projection)が凝縮・実体化したものです。3つ目の壁画は、物質であると同時に情報でもあるようなこれらの視点=射影が観測した断片的な10個のイメージによって構成されています。
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藤倉麻子
1992年生まれ。アーティスト。都市・郊外を横断的に整備するインフラストラクチャーや、それらに付属する風景の奥行きに注目し、主に3DCGアニメーションの手法を用いた作品を制作している。2016年、東京外国語大学ペルシア語専攻卒業。2018年、東京藝術大学大学院メディア映像専攻修了。
近年の主な個展・プロジェクトに、『手前の崖のバンプール』(東京湾、2022年)、『Paradise for Free』(Calm&Punk Gallery、2021年)など。近年の参加グループ展には、『都市にひそむミエナイモノ展』(SusHi Tech Square、2023-4年)、『アーバン山水』(kudan house、2023年)、『エナジー・イン・ルーラル [展覧会第二期]』(国際芸術センター青森、2023年)、などがある。