MATSUI YUU (SEKIKAWA TAKUYA)
Memories parasitize. i melt envelopes
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MATSUI YUU (SEKIKAWA TAKUYA)
Memories parasitize. i melt envelopes
きっかけは「なぜ制作するのか」を探る目的で、私は友人に勧められ精神分析を受けることとなった。私には幼少期の家族内トラウマによる重い強迫性障がいがあった。私はバレるのが嫌だったが、別に断る動機もなかった。
渋谷の雑居ビルの一室で監視されながら真っ白な壁にただ思い付いた事を話し続ける。ある日ちょうど親友と連絡がつかなくなった時、そのことを話してしまい、溢れるように幼少期のことも話した。親友には私の病について開示していた。幼少期のことは話したくなかったが、なぜかアクセスしてしまった。私はその日で受診をやめる事を決意し、そのまま渋谷のとても高いビルに登った。渋谷は幼少期からよくきていた場所だった。
数年後がたった今、未だに親友とは連絡がつかないが記録動画を見返し、私は病について開示することにした。
ウイルスは寄生する際、皮膜を寄主の細胞で作り増殖する。その膜を溶かす事を除菌と言う。私は親友と撮った多くの記憶を最後の夜景に曝露した。喪失が膜を溶かし、たくさん溢れてくる記憶は変形し消失する。私は数々の記憶に彩られ、そして覆い尽くされていく。
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松井祐生(関川卓哉)
東京出身。駒澤大学法学部を卒業後、2016年写真新世紀受賞を機に独学で映像/写真/ペインティング/3D制作を始める。近年はVRをもちいたインスタレーション作品なども制作。また近年重度の強迫性障がいがあることを告白し、近年は自身の精神疾患という背景から「パンダへの変身願望」「エンベロープ/ウイルス/スマホ」「ヴァンダリズムとしての写真」などをテーマとし制作している。尚、関川卓哉は異名同人で攻殻機動隊における「タチコマ」に近い感覚(お互いの脳がクラウドを共有し、知識と経験を同期できる感覚)と気づき、いつも同期しながら制作をしている。
主な展示
「写真新世紀展」(CANON主催/2016)、「現代写真のアナキズム Ontological Anarchy on Photo/2022」(MIHARAYASUHIRO)、「ソノ アイダ#新有楽町/ I Count Three Bodies」(2022)、「踊りを忘れた身体のためのバレ/YAU OPEN STUDIO 2023」(YAU/2023)、「The Phony on the Cliff」(コートヤード広尾/2024)など