TANIGUCHI AKIHIKO
HYPER GARDENING
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TANIGUCHI AKIHIKO
HYPER GARDENING
本作は Unityという汎用的なゲームエンジンの中で 3Dデータの植物を配置し、超望遠で平面的に撮影したヴァーチャル な写真作品です。近年の XR技術の普及や、コロナ禍以後の ヴァーチャル空間でのコミュニケーションの増加によって、私 たちの世界へのリアリティは多層的になっています。例えばビ デオゲームやメタバースなどの中で、3Dデータの植物によっ て作られるヴァーチャルな風景は、それらの中での体験を通じ て、私たちの記憶の一部を構成しています。こうしたヴァーチャルな植物は、現実の植物に似せて作られていますが、現実とは異なる要件から、独自の存在へと進化し、変貌を遂げてい ます。データとして複製可能であることや、少ない計算量・ポ リゴン数の中で効果的に見えるよう、現実の植物に似ていながら、どこか異なる、独特の形態や質感を獲得しています。そ うした新たなリアリティのあり方と、バーチャルな植物の存在との関係を写し取ろうとした作品です。
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谷口暁彦
メディアアーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授。メディア・アート、ネット・アート、ゲーム・アート、パフォーマンス、映像、彫刻作品など、さまざまな形態で作品を発表する。主な展覧会に「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館、2016年)、「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、17年)など。企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、18–19年)にて共同キュレ―ターを務める。